はじめに:STEM(ステム)教育とは?
STEM教育とは、「理科」「技術」「工学」「数学」を組み合わせた学び方です。この教育の目的は、身の回りにある問題を解決する力を育てることです。
例えば、理科では植物の育ち方を学び、技術ではパソコンや機械の仕組みを知ります。工学では建物の作り方や機械の動かし方を学び、数学では数字を使って考える力を養います。これらを合わせて学ぶことで、考える力や新しいアイデアを作り出す力が身につきます。
この学び方は、将来の仕事や生活に役立ち、社会の問題にも向き合える力をつけるために大切とされています。
少し難しい言葉を使うと、
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Math(数学)の4つの分野に焦点を当てた教育方法のことです。
これからの時代に必要とされる、「問題解決力」「論理的思考力」「創造力」を養い、IT社会とグローバル社会で生き残っていける人材を育てる21世紀型の教育方法です。
2000年代にアメリカで提唱され、いまや世界各国で推進されているSTEM教育。日本でも学校教育にSTEMの取り組みは徐々に導入されており、2020年から小学校で必修化となったプログラミング教育もその一環です。
これからの時代、子どもたちには、課題に対して柔軟に対応し、自分で考え抜く力が求められます。そのため、STEM教育は、未来に生きる子どもたちにとって、非常に重要な教育とされています。
STEM教育の4つの分野とは?
それぞれの分野を詳しく見ていきましょう。
S(Science)科学
科学分野では、自然の仕組みや現象について学びます。たとえば、科学実験や自然観察などを通して、植物の成長や物質の変化について興味を持つ子どもも多いでしょう。科学教育は、身の回りの不思議に気づき、探求する心を育てます。
T(Technology)テクノロジー
テクノロジー分野では、プログラミングやデジタル技術に触れる機会を提供します。小学生向けには、プログラミングロボットやScratchなどのアプリが人気で、遊びながら基礎的なプログラミングの概念を学べます。テクノロジーは、現代のデジタル社会で不可欠な知識です。
E(Engineering)工学
工学分野では、ものづくりや設計を通じて創造力を養います。ロボットやブロックキットなどが多く、実際に組み立てや分解をしながら、論理的に考える力を養うことができます。自分のアイディアを形にする楽しさを知り、実践的なスキルが身に付きます。
M(Mathematics)数学
数学分野では、数の概念やパズルを通して論理的思考を磨きます。算数パズルやゲームなどを用いて、楽しみながら数学の基礎を学べます。数学はSTEM教育の基盤であり、問題を解決する力を伸ばすために重要な分野です。
STEM教育が注目される理由
なぜSTEM教育が注目されているのでしょうか?
将来の職業変化
AIやロボット技術の急速な発展により、今ある仕事の多くが将来変化すると言われています。そのため、子どもたちが技術や工学の基礎を理解し、将来的に応用できるスキルを身につけておくことが重要です。
国際競争力の向上
世界中でSTEM教育の重要性が増しており、各国がSTEM分野の専門家育成に力を入れています。日本も遅れを取らないよう、教育にSTEM分野を積極的に取り入れ、次世代のリーダーを育成する必要があります。
日常生活への影響
STEMの知識は、科学や数学だけでなく、日常生活での問題解決にも役立ちます。例えば、簡単なプログラミングやDIYのプロジェクトを通して、論理的な思考力を養うことができます。
教育方針の変化
最近の教育現場でもSTEM教育が重視され、プログラミングなどの授業が導入され始めました。これにより、子どもたちが小さいうちから新しいスキルに触れ、実際の課題を解決する力を身につけやすくなっています。
STEM教育のメリット
創造力の発揮
STEM教育は、ただ知識を覚えるだけでなく、それを使って新しいアイデアやプロジェクトを作り出すことを奨励します。この過程で、子どもたちは創造力を自然と発揮することができます。
実践的な学び
STEM教育では、実際のプロジェクトや実験を通じて学ぶ機会が多くあります。これにより、知識が単なる「理論」にとどまらず、実生活に応用できるものとして身につきます。
協働スキルの向上
STEMの活動ではグループワークやプロジェクトの場面が多く、協力して問題を解決する能力が育まれます。これは、将来の仕事や日常生活でのコミュニケーションスキルにも役立ちます。
STEM教育の日本の現状
STEM教育において、日本は他の国に比べて遅れていると言わざるを得ません。
小学生からプログラミング教育が導入されていますが、専門知識を有する人材の不足もありほとんど実施されていない学校もたくさん見かけます。
ここで、他の国の取り組みを見てみましょう。
シンガポール
シンガポールでは、数学の授業は小学校1年生から、理科の授業は小学校3年生からスタートします。高校生になると2科目とも専門教員が教えるという徹底ぶりです。さらに国営のSTEM教育施設もあります。
台湾
台湾では日本の小学校・中学校・高等学校に相当する学校において、STEM教育を重視したMaker教育が普及しています。Maker教育とは、「つくることから学ぶ」教育です。3Dプリンタやレーザー加工機材などを導入し、家具やおもちゃの製作、LED照明機器の製作などを行っています。
インド
インドでは2015年から6歳~18歳の子供たちを対象に、科学技術を学べる「Rashtriya Avishkar Abhiyan」 というプロジェクトがスタートしています。
家庭でできるSTEM教育のサポート方法
家庭でもSTEM教育のサポートが可能です。以下のような方法で、子どもがSTEMに親しめる環境を整えましょう。
日常の体験を活かす
簡単な科学実験キットや工作セットを使って、実際に手を動かしながら学ばせると良いでしょう。また、家庭菜園や観察日記をつけることで、身近な自然現象に興味を持たせることができます。
プログラミングの導入
Scratchなどの子ども向けプログラミングツールを使って、簡単なプログラムを作ってみるのもおすすめです。親子で楽しみながら、物事を順序立てて考える力を育てられます。
数理的思考を養う
日常の買い物やお金の管理を通じて、数学的な思考を育てることもできます。例えば、予算を考えたり、残高を計算したりすることで、算数が実際の生活にどう役立つかを学べます。
STEM関連の書籍や映像を提供
子ども向けの科学や技術の本、あるいはYouTubeなどでの教育的な映像を一緒に見て話し合うのも効果的です。興味が湧いた分野について親子で話し合うことで、学びが深まります。
ロボットキットの活用
LEGO SPIKE Primeのようなロボットキットを使うと、プログラミングやエンジニアリングの要素を楽しく学ぶことができます。組み立てやプログラミングを通じて、実際に動くものを作る喜びを味わわせてあげましょう。
STEM教育におけるよくある質問
Q1: STEM教育を早く始めすぎるのは良くない?
A1: 幼児期からの学びも可能ですが、無理に難しい内容を教える必要はありません。楽しみながら触れさせることが大切です。
Q2: STEM教育を受けた子どもは本当に将来有利になる?
A2: STEM教育で学ぶスキルは多様な職業に役立つため、将来の選択肢が広がると言えます。技術が進化する今後において、特に役立つスキルと考えられます。
Q3: 家でのサポートに親の専門知識は必要?
A3: 親が専門知識を持っていなくても大丈夫です。学びを支える姿勢と、子どもの興味に寄り添うことが大切です。
おわりに:STEM教育で子どもの未来を育む
STEM教育は、子どもの成長や将来の可能性を広げる大切な学びです。教育機関だけでなく、家庭でのサポートも非常に大切です。親ができることは、「難しい知識を教える」ことではなく、「興味を持たせ、楽しませる」こと。まずは簡単な科学実験やプログラミングから始めてみましょう。親子で楽しみながら、未来に向けたスキルを一緒に学んでいくことで、子どもたちの成長が一層豊かなものになるでしょう。
さいごに
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